抄録
除染ならびに消毒剤としてのオゾン利用は,その強い酸化力や比較的低いランニングコストといった利点より,既に長い研究蓄積があり,特に,水中での微生物に対するオゾンの反応性の高さは良く知られている。しかしながら,オゾンガスによる室内環境除染に関しては,既に実用段階にあるとは云うものの,除染や消毒,対象とする微生物の不活性化作用に関しては完全にメカニズムが解明されている訳ではなく,ある程度の安全率を考慮して使用されているのが実情である。本論では,室内環境除染へのオゾンガス利用に関して,既報研究を詳細にレビューすることで,これまでの知見と現況を整理した上で,今後の課題と展望までを整理する。加えて,本論では,除染効果の定量的な予測手法の基礎となりうる室内のオゾン濃度分布予測のための数理モデル開発の動向に関しても整理する。