抄録
建築設備において, CFD解析は設計・施工・運用の各段階で室内の温熱環境・空気環境を予測する手法として非常に有効な手段であり, VR・MR等の可視化技術との親和性から実務的にもその利用範囲は広がりつつある。しかし, 複雑形状を有する吹出口からの空調吹出気流を正確に再現することは, 実務レベルでは計算時間や作業量の観点から困難である。そのため, これまで気流性状の予測精度を担保しつつ計算負荷を軽減することのできる吹出気流のCFDモデリングに関する研究が数多く報告されている。本報では, 吹出気流のCFDモデリング手法について概説するとともに, 筆者らが取り組んでいる研究内容の一部を報告する。