室内環境
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総説
加熱式たばこ主流煙の化学分析と生体影響評価
堀之内 孝広 小林 純子東 恭平三輪 聡一
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2021 年 24 巻 2 号 p. 125-133

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抄録
喫煙者の健康志向の高まりや2020年4月から完全施行された改正健康増進法を受けて,紙巻きたばこの喫煙から加熱式たばこ製品の使用へと,喫煙者の行動変容が進んでいる。それに伴い,加熱式たばこ製品の開発競争も激しさを増し,加熱式たばこの加熱装置や専用たばこスティックの種類は,年々増加の一途をたどっている。加熱式たばこでは,主流煙中の化学物質量が低減されているが,能動喫煙者や受動喫煙者の健康リスクに関する科学的エビデンスは圧倒的に少ない。また,たばこ主流煙の吸煙プロトコールとして,紙巻きたばこの場合,ISO(International Organization for Standardization)法やHCI(Health Canada Intense)法が標準的な方法として用いられているが,加熱式たばこでは,CORESTA(the Cooperation Centre for Scientific Research Relative to Tobacco)の技術報告書(Heated Tobacco Product-259-CORESTA technical report)が2020年7月に公表されたばかりで,世界標準の方法は確立されていない。本総説では,加熱式たばこ製品の特徴や種類,化学分析のための吸煙条件,加熱式たばこ主流煙の生体影響について,概説する。
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© 2021 一般社団法人 室内環境学会
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