室内環境
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総説
加熱式たばこ主流煙エアロゾルの物理・化学性状
関根 嘉香 山本 匠
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2021 年 24 巻 2 号 p. 135-144

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抄録
加熱式たばこは, たばこ葉を直接加熱, または水蒸気を用いて加熱し, 生じたエアロゾルを吸入してニコチンを摂取する装置である。主流煙として発生するエアロゾルは, 水を主成分とする"水滴"であり, 紙巻きたばこのように炭素性粒子(タール)を主成分とするエアロゾルとは, 物理・化学性状が異なる。しかしながら, 物理・化学性状が異なるがゆえに, 加熱式たばこの能動および受動喫煙に伴う健康リスクは, エアロゾル粒子を構成する, あるいは含まれる化学成分の大小関係だけでは測れない可能性がある。また有害化学物質の含有量は, 従来の紙巻きたばこに比べて少ないと考えられているが, 未知・未確認の化学成分の存在も懸念される。そこで本総説では, 加熱式たばこから発生する主流煙エアロゾルの物理・化学性状に関する知見を整理し, エアロゾル中の化学成分の発生およびエアロゾル粒子の挙動について考察した。
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© 2021 一般社団法人 室内環境学会
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