抄録
本報告では,燃焼器具,建材・家庭用品等から発生する化学物質による室内汚染の実態について,著者の報告を含めて文献調査を行い,我が国の室内汚染の現状を整理した。その結果,室内ガイドライン制定後,種々の行政対策の進展と相まって室内汚染は一部改善傾向に向かった。しかし,その反面,指針値以外の未規制物質が建材・家庭用品及び教材等に使用され,それによる健康被害が生じているとの報告も出てきている。今後,未規制物質に関する更なる調査研究を図って,未規制物質の指針化に向けて,会員先生方の協力が必要となってくると思われる。