室内環境
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原著論文
エアコンと空気清浄機の協調運転における気流干渉と粒子除去効率の数値解析
栗原 碧都髙橋 俊樹
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 29 巻 2 号 p. 105-117

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抄録
本研究では,冷房用エアコン(AC)と空気清浄機(AP)を同時に運転した際の室内環境特性および花粉・アレルゲン除去性能への影響を,独自に開発した数値流体解析ツール「CLiP」を用いて検討した。解析対象は約6畳の居室空間とし,ACとAPの相対距離が異なる6通りの配置条件について非定常CFD解析を実施した。

解析の結果,空調機器間の設置距離が室内の循環効率および温度分布の均一性に影響を及ぼすことが明らかとなった。ACとAPを遠方に配置した分散配置では,床上付近で0.67~0.69 m⁄sの高い流速が維持されたのに対し,両機器が近接する配置では吹出気流の直接的な干渉により流速が約12 %低下した。特に,AC直下にAPを設置した配置では,吹出気流同士の正面衝突によって床上流速が約0.35 m⁄s(分散配置比で47~49 %減)まで減少し,室内上部の撹拌停滞と冷却効率の低下を招くことが定量的に示された。

粒子除去においては,対象とした花粉粒子の見かけ密度が小さい(140 kg⁄m3)ため,重力沈降の影響は限定的であり,気流による搬送効果が支配的であることが判明した。その結果,解析中の床面や壁面への沈着率は約8~10 %と低く抑えられ,大半の粒子が気流に追従して輸送された。花粉の捕集率は,APを分散配置した配置で最大(約64 %)となり,気流干渉が最も強い配置でも約56 %の捕集率が維持された。アレルゲン微粒子についても同様に約64~67 %の高い捕集率が得られ,両粒子ともに気流干渉による極端な性能低下は見られなかった。

以上の結果から,冷房時の快適性と空気清浄をより高いレベルで両立するには,機器間の気流干渉を最小化し,室内全体の循環を促進する配置設計を行うことが推奨される。

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