室内環境
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短報
「室内空気中化学物質測定マニュアル(統合版)」における試料採取時間の検証
大嶋 直浩 内山 奈穂子酒井 信夫
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 29 巻 2 号 p. 119-126

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抄録
「室内空気中化学物質の測定マニュアル(統合版)」は,室内空気中化学物質の濃度を室内空気濃度指針値と比較して評価するための標準的な測定手法を定めたものである。測定マニュアルにおいて室内空気の試料採取方法の一つとして規定されている「平常実態把握法」は,実際の生活環境における化学物質の存在量把握を目的に策定され,日常生活を営みながら室内空気を24時間採取することが求められている。しかしながら,室内空気中の化学物質濃度を実態に即して正確に評価するためには,時間帯により濃度が変動する放散特性を化学物質ごとに把握した上で,それに応じた採取時間の妥当性を検証する必要がある。本研究は,室内空気中化学物質の放散特性の違いを踏まえ,平常実態把握法に規定される24時間採取の妥当性を,標準試験法(24時間採取)と分割採取法(4時間×6回)の並行同時採取による実測データに基づいて,3軒の一般居住住宅で検証した。その結果,TVOCおよび個別VOCにおいて両手法の量的整合性は一致した。化学物質の放散特性は定常型,瞬時型及び混合型に大別され,定常型VOCに関しては4時間採取においても代表値として一定の評価は可能と考えられた。他方,瞬時型および混合型VOCでは,TVOCと同様に日内変動が大きく,24時間採取により時間変動が平均化された。以上より,多様な放散特性を有するVOCの室内空気中濃度を単回採取で包括的に評価できる手法として,標準試験法に基づく24時間採取は妥当であることが確認された。
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© 2026 一般社団法人 室内環境学会
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