室内環境
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原著論文
吸着等温線と物質収支に基づいた新規消臭・脱臭性能評価方法の開発
道志 智
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 29 巻 2 号 p. 85-96

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抄録
本研究では,吸着等温線と物質収支に基づいた新しい消臭・脱臭性能評価方法を提案する。従来の方法は初期濃度の減少率などを用いて評価していたため,空間体積や消臭剤の量を変えたときの性能予測が困難であった。提案手法は,気相中のニオイ物質の減少量と消臭剤への吸着量が等しいという物質収支と消臭剤固有の吸着等温線から平衡濃度および平衡吸着量を算出し,消臭・脱臭性能を評価する。この方法の特長は以下のとおりである。

1. 初期濃度変化時の消臭可否の予測:特定の濃度で人がニオイを感じないレベルまで消臭できるかを予測できる

2. 必要量の算出:嗅覚閾値濃度にするために必要な消臭剤の量を予測できる

3. スケールアップ予測:バッグを用いた小スケールでの試験から実空間での性能を予測できる

アンモニアと活性炭フィルターを用いた検証実験では,アンモニアの吸着がFreundlichの吸着等温式に従うことを確認した。また,本実験においては,サンプリングバッグへのアンモニアの吸着およびサンプリングバッグからのアンモニアの透過は無視できることがわかった。つまり,減少した気相中のアンモニアはすべて活性炭フィルターに吸着しているとみなすことができた。これら吸着等温線と物質収支との関係から,空間体積を変化させた条件下でも,嗅覚閾値濃度に達するために必要な試料量を正確に予測できることが実証された。この手法により,様々な条件下での消臭性能の事前予測が可能となる。
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