抄録
パッシブサンプリング-高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた家庭環境中ホルムアルデヒド(FA)の簡易で精密な定量法を開発した。
トリエタノールアミンを含浸したシリカゲルを多孔性のフッ化エチレン樹脂(PTFE)製チューブに充填した市販のパッシブサンプラーを用い, 環境空気中FAを24時間捕集した。捕集後取り出したシリカゲルに0.5M-りん酸7mlを加えてFAを抽出した。さらに, アセトニトリル2.7mlおよび2, 4-ジニトロフェニールヒドラジン(DNPH)のアセトニトリル溶液(20mg/ml)0.3mlを加えてFAのヒドラゾン誘導体(FA-DNPH)を形成し, 逆相系カラムを用いたHPLCによりFA-DNPHを定量した。未使用のパッシブサンプラーから取り出したシリカゲルも同様に処理し, ブランクとして分析した。
FAは24時間捕集した際, 空気中濃度1~約200ppb(v/v)において定量可能であった。FAの捕集から分析操作を含めた変動係数は, 試験された全濃度において5%以下であった。また, FAを捕集したパッシブサンプラーおよび分析用に調製した試料溶液は, いずれも4℃遮光保存で1ヶ月間は安定であった。従来より空気中FAの測定に用いられている4-アミノ-3-ヒドラジノ-5-メルカプト-1, 2, 4-トリアゾール(AHMT)を用いた吸光光度法およびDNPH-カートリッジを用いたHPLC法と本分析法とを比較した。本法は, 従来法それぞれの問題点を解決する簡易で再現性の良い分析法であると考えられた。