抄録
室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)濃度を固相抽出とGC/MSを用いて測定し, 3種類の酸化チタン光触媒空気清浄機による室内空気中VOCの除去について検討した。
新築住宅の密閉状態でのVOC濃度の経日変動は, 6日間で14.6%であった。トルエン, キシレンおよびトリメチルベンゼンについても同様な経日変動が得られた。
T-VOCの除去率は, 酸化チタン光触媒空気清浄機の種類ごとに異なっていた。室内総VOC(T-VOC)の除去率は密閉状態で36%から74%の範囲であった。また, 一般家庭で用いられている防虫剤のパラジクロロベンゼン (DCB) の除去を, プレフィルターと光触媒フィルターからなる空気清浄機(吸引速度;190~310m3/hr)で検討した。DCBは41%除去されたが, その除去率はトルエン, キシレンよりも低かった。
酸化チタンのコーティング方法やその量, 紫外線強度, 触媒と光との接触面積, 空気吸引速度を最適に設計する等の余地はあるが, 酸化チタン光触媒空気清浄機は室内のVOC濃度を低減化するのに有用であった。
更に, 分解生成物による安全性について, 細胞毒性試験を行い, 装置稼働時における細胞増殖阻害を検討した結果, 装置稼働時の細胞増殖率はブランク試料と同レベルであり, 酸化チタン光触媒反応による細胞毒性物質の生成は認められなかった。