抄録
室内の有害化学物質,特に,準揮発性物質(SVOC)や粒子状物質(POM)の殺虫剤,難燃剤などの室内汚染状況を調査するには,空気中化学物質濃度と相関の高いハウスダストの分析が有効な指標となる。今回,32家庭の電気掃除機の集塵紙パック中ハウスダストを試料に,6種類の殺虫成分の残留レベルを調査した。クロルピリホスの検出頻度は27/32で,最高値(20.4μg/g)から最低値(<0.01μg/g)まで検出レベルの差が大きかった。中央値は0.05μg/gで大部分の家庭ではクロルピリホス汚染は低レベルであったが,シロアリ防除処理家庭において高濃度汚染がみられた。ダイアジノンは検出頻度7/32,最高値0.15μg/gと汚染はほとんどなかった。フェニトロチオンの検出頻度は23/32で,最高値は0.38μg/g,中央値は0.02μg/gとクロルピリホスに比較すると低レベルであった。ペルメトリンは検出頻度(24/32)も高く,最高値(716μg/g),平均値(5.32μg/g),中央値(0.60μg/g)とも分析した薬剤の中では最も高濃度であった。S-421の検出率は100%であり,中央値(0.13μg/g)はペルメトリンに次いで高い汚染レベルであった。パラジクロロベンゼンの検出率も100%であったが,1μg/gを超えた家庭は1軒(2.07μg/g)のみであった。