抄録
庄川扇状地は地下水が非常に豊富であり、これらの地下水は工業用水、田畑の灌漑、道路用消雪などに広く利用されている。しかし、過度の地下水の利用により地下水位が大きく低下している。本研究では、ヒートポンプを持続的に活用するため、同位体組成や主要化学成分に基づく地化学解析により、地下水の水質評価や流動モデルを構築する。地下水試料は2011年8~9月に、富山県の管理する9か所の観測井から深度別の地下水及び32か所の民家の井戸から浅層地下水をそれぞれ採水した。また同時期にこの地域を流れる庄川と小矢部川でも採水した。庄川扇状地全域でδ18O値を宮本(2000)の結果と比較したところ、扇状地の浅層地下水のδ18Oは最大で-0.75‰も減少していた。この結果より庄川から地下への浸透が大きくなっているのではないかと予想した。原因としては融雪等による地下からの揚水によって流動が変化したのではないかと考えられる。