抄録
カビ指数は生物的な気候パラメータで, 好乾性カビEurotium herbariorumを封入した試験片を調査箇所に曝露し, その発育(すなわち調査環境に対するカビの応答)と曝露期間から計測するものである。カビ指数は調査箇所がどの程度カビが発育しやすい環境(気候)であるかを示す指数である。
鎌倉市の木造戸建住宅で駐車場軒下(外気)と東西の床下に温湿度記録計と上記試験片を吊り下げ, 2003年に温湿度とカビ指数を測定した。温度と相対湿度は1時間ごとに自動計測し, カビ指数は上記試験片の曝露期間を1週間として毎週測定した。測定された温度と相対湿度からエクセルソフトの関数“INDEX”を使ってカビ指数を計算し, 得られたカビ指数(予測カビ指数)と上記試験片を用いて測定したカビ指数(実測カビ指数)を比較した。予測カビ指数は実測カビ指数に近い値を示し, 外気でも床下でも季節的な変動パターンはほぼ同じであった。
正確な温度と相対湿度のデータが得られれば, 気候の履歴からカビ指数が計算でき, さらに, 建築設計の段階で温湿度シミュレーションからカビ指数をシミュレーションすれば, カビ汚染のない快適な室内環境を創ることが可能になる。