室内環境
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DNPH捕集管-HPLC法を用いた家庭用冷蔵庫内のアルデヒド・ケトン類の測定
村田 真一郎関根 嘉香佛願 道男
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2008 年 11 巻 2 号 p. 75-82

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抄録
家庭用冷蔵庫内のガス状物質としてエチレン,臭気物質などについてはこれまでに広く研究されているが,アルデヒド・ケトン類の存在についてはほとんど知られていない。アルデヒド・ケトン類の一部は,人の健康に有害な影響を及ぼすことが知られており,また生鮮食品中の酵素活性に影響を及ぼすことが報告されている。そこで本研究では,実際の家庭で使用されている冷蔵庫内の空気中アルデヒド・ケトン類濃度の実態を把握するため,DNPH含浸カートリッジ-アクティブ・サンプリング法により庫内空気捕集後,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって定量分析を行った。その結果,測定対象とした冷蔵庫の冷蔵室および野菜室の計15室においてホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,アセトン,アクロレイン,プロピオンアルデヒドおよびブチルアルデヒドが検出された。さらに,検出された各成分について庫内濃度と冷蔵庫が設置されている居室の室内濃度を比較したところ,アセトアルデヒド,アセトンおよびアクロレインは庫内濃度の方が有意に高く,庫内に発生源が存在することが示唆された。特にアセトアルデヒドの庫内濃度は高く,平均59μg/m3,最大値が150μg/m3であった。これら庫内濃度に及ぼす要因を考察するため,冷蔵庫の仕様,使用状況および内容物をパラメーターに各試料についてクラスター分析を行い,クラスター毎に濃度レベルを比較した。その結果,冷蔵庫内のアセトアルデヒドおよびアクロレインの濃度は,使用者の世帯構成や内容物によって影響されると考えられた。
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