抄録
建築基準法改正前後の新築・既存集合住宅においてホルムアルデヒド・VOC・SVOC濃度の経時変化,気候,換気回数,サンプリング条件との関係をみるために実住宅で測定するとともに,実験用住宅における測定結果と合わせて,室内環境改善に資する観点から考察を行った。
ホルムアルデヒドの温湿度特性,VOCについては化学種別の低減特性と木質材料由来のαピネン,TVOCの評価法などについて考察するとともに,ホルムアルデヒドのサンプリング条件やSVOCの畳防ダニ剤の使用量削減の提案を行った。換気については既存のサニタリー換気装置の有効性と窓開け換気後のサンプリングタイミングが測定値に及ぼす影響について検討した。また,入居後のホルムアルデヒド濃度を非居住住宅と比較するとともに,高層集合住宅のフロアにおける温熱的条件によるホルムアルデヒド濃度への影響を明らかにした。