室内環境
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日本の住居の室内塵中鉛およびカドミウム
-室外汚染源との関連
Yuri ISHIBASHIJun YOSHINAGAAtsushi TANAKAHaruhiko SEYAMAYasuyuki SHIBATA
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2008 年 11 巻 2 号 p. 93-101

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抄録
汚染源が明確になっていないわが国の室内塵中鉛及びカドミウムについて,その汚染源として室外起源を想定して検討した。国内41の家庭から,室内塵,周辺土壌,室外ダスト(窓枠にたまったダスト)の提供を受け,それらに含まれる鉛及びカドミウム濃度を混酸分解-ICP質量分析法により定量した。それぞれの試料の鉛濃度は54.1, 31.7, 153mg/kg,カドミウム濃度は0.932, 0.563, 1.74mg/kgであった(いずれも中央値)。室内塵中鉛,カドミウム濃度は諸外国で行われた既往の研究の結果に比べて低い濃度であり,わが国の室内塵汚染のレベルが低いことが伺われた。室内塵中鉛,カドミウム濃度は,周辺土壌,室外ダスト中濃度とごく弱い正の相関関係があったのみであり,室外汚染源はほとんど寄与していないと解釈できる。これは諸外国で得られている結果と異なるものである。また,これらの濃度は住居・居住者関係の変数(戸建て/集合住宅,喫煙者・ペットの有無,暖房の種類,床材質)との関連も見られなかった。今回検討した以外の住居・居住者関連要因が室内塵中の鉛やカドミウム濃度の決定要因であると考えられた。
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