日本シルク学会誌
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短報
アニオン性グラフトシルクの抗菌・抗ウイルス性能
信澤 和行 寺島 和希中村 暢助齋藤 裕文齋藤 宏花之内 智彦
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2023 年 31 巻 p. 77-81

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抄録

アクリル酸(AA)およびメタクリル酸(MA)による絹糸へのグラフト加工を行い,その抗菌・抗ウイルス性能について評価した.グラフト加工後の重量増加率(WG)に対するモノマー濃度依存性を評価した結果,どちらのモノマーについても,モノマー濃度に比例してWGが増加する傾向であった.WGの最大値は,AAを用いた場合で6.8%,MAでは24.6%となった.黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を評価した結果,どちらのモノマーでグラフト加工した場合においても,WGの増大とともに抗菌活性が強くなる傾向を示した.一方,モノマー種類について比較した場合,AAグラフト加工絹糸は低いWGであるにも関わらず,MAグラフト加工絹糸より強い抗菌効果を有することがわかった.さらに,グラフト加工絹糸はインフルエンザウイルスA型(H1N1)に対して抗ウイルス活性を有することが明らかとなった.

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© 2023 日本シルク学会
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