2023 年 31 巻 p. 63-75
GAL4/UASシステムと呼ばれるカイコ絹糸腺での外来遺伝子発現システムを用いて,シルク結合ペプチド (YN42)を融合したセルラーゼまたは β-グルコシダーゼをカイコ絹糸腺で発現することにより,シルク繊維表面にセルラーゼまたは β-グルコシダーゼを固定化することに成功した.得られた繭層は酵素活性を示し,5分間の反復反応の場合,10回以上の繰り返し使用に耐えた.加えて,固定化されたセルラーゼの酵素活性は,4日間の連続反応および長期間の連続流下反応を10回繰り返しても維持された.この結果は,酵素などの機能性タンパク質のシルク繊維への固定化としてYN42ペプチドが有効であり,繭繊維が酵素反応を基盤とするバイオリアクターの基材へ活用できる可能性を示している.