日本シルク学会誌
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論文
天蚕繭の繭層構造について
三村 温子佐藤 幸夫
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1995 年 4 巻 p. 65-69

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抄録
 現在の天蚕を製糸原料としてみた場合、新繭、落繭の索抄緒が困難で機械化が図れない、繭糸長が短く解じょ率が悪いため高速繰糸ができない、繭層の約半分が屑物となり生糸収率が悪い等の理由により家蚕繭と比較して著しく生産性の劣る状況にある。このため糸価はコスト高となり、需要拡大の大きな障害となっている。今後需要を増進するためには、コストの低減が最も重要な課題であるが、このためには天蚕繭の性状を正確に把握し、製糸原料としての問題点を整理し、これを基に向上対策を検討することが必要である。天蚕繭の繰糸中の繭の動きを観察すると、家蚕繭とは異なる特徴的な動きが観察される。この動きの分析より家蚕繭と大きく相違する天蚕繭の営繭方法及び繭層構造が判明し、これと製糸原料上の問題点は密接な関係にあることが思考されたことから、その結果について報告する。
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© 1995 日本シルク学会
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