2022 年 2022 巻 1 号 p. 138-143
交通制約者のモビリティの確保や移動・物流サービスのドライバ不足の改善・コスト低減等の社会的課題の解決に向けて,低速走行の自動運転移動・物流サービス車両の技術開発や中山間地域等での実証実験が実施されている.低速走行の自動運転サービス車両では,従来の手動運転車の場合とは異なり,運転を常時行うドライバが乗車しないことから,歩行者や他のドライバなどの周囲交通参加者とのコミュニケーションにおいて,安全,安心,交通効率などの課題が存在する.低速走行の自動運転サービス車両と周囲交通参加者との間に安全安心で円滑なコミュニケーションの実現を目指して,実証実験等で観測されたコミュニケーションの特徴分析,自動運転サービス車両からの意図や状態を交通参加者に伝達するためのコミュニケーション方法(車両挙動や外向けHMI等)の実験的検討を実施した.また実験的検討に基づいて抽出された外向けHMIによるコミュニケーション方法を実証実験にて検証し,コミュニケーション方法の設計推奨の効果を確認した.