2022 年 2022 巻 1 号 p. 144-148
SIP第2期自動運転(システムとサービスの拡張)の“走行環境条件の逸脱や自動運転システムの機能低下における適切な運転引継ぎのためのHMI等に関する研究開発(課題B)”の取組を概説する.課題Bでは,自動運転から手動運転への運転交代前におけるドライバの周辺監視状態の評価指標の検討や,HMIによるドライバのシステム理解への効果の検討等に取り組んだ.ドライビングシミュレータ実験を行い,レベル3自動運転からのシステム主導による運転交代場面において,運転準備となるドライバの周辺認識の定量的評価方法を検討し,本実験結果より,ドライバ周辺認識の評価指標や適切な周辺認識に必要となる時間等を明らかにした.レベル2自動運転からのドライバ主導による運転交代場面では,レベル2使用中のドライバの注意状態を評価するには視線計測が有効であること,また,ドライバが適切にシステムの機能限界を理解でき,機能限界に至る前に適切に応答ができるようにするHMI要件を明らかにした.