2022 年 2022 巻 1 号 p. 47-53
自動運転のための信号情報の要件として,信頼性向上及び可用性向上の観点から,信号情報と実際の灯色の誤差を±300ミリ秒以下とすること,信号情報の異常を検出し異常発生を車両に通知すること及び様々な信号制御において信号情報提供を実現することの3項目が抽出された.まず,V2I方式を対象とし,2020年度までにV2Iを用いた信号情報提供インフラ技術仕様を決定した.次いで,整備コストの低減等の観点から,2019年度にモバイル回線を利用するV2N方式について検討に着手した.2021年度までに,埼玉県における実証実験等を経てV2N方式による信号情報提供技術の確立に取り組んだ.また,V2N方式の検討の中で想定してきた社会実装モデルの中核を構成する信号情報センターの社会的機能要件についても検討した.こうした検討を踏まえて,2022年度には,17か所の交通信号機から模擬車載機までの一連の構成要素を統合した実証実験を実施し,3つの信号情報提供方式とシステム全体構成の有効性を検証した.