2022 年 2022 巻 1 号 p. 61-66
高速道路における合流は,走行速度の速い本線車両の隙間を狙って合流することが求められる,自動運転車両の制御が難しいユースケースの一つである.特に,首都高をはじめとする都市内高速道路は合流部の距離が短く,合流車両は短い合流部の中で本線速度まで加速したうえで,本線車両間の隙間(ギャップ)に合流することが求められる.このような合流部においては,路車間通信システムを活用して車両位置情報などを自動運転車両に共有し,自動運転を支援することで,円滑な合流が可能になると考えられる.そこで,本研究開発では,路車間通信システムによる合流支援を行う「合流支援システム」について,シミュレータを用いて,コンセプト検討やシステム成立性評価を実施している.具体的には,首都高5号池袋線下り東池袋入口を対象に実交通流の軌跡データを取得のうえ,それらを再現した交通流シミュレータを開発した.このシミュレータを活用し,通信エリアやセンシングエリアなど,合流支援システムを構成する要素を変化させて,支援の有無による合流車挙動や本線交通流への影響を比較分析している.