理科教育学研究
Online ISSN : 2187-509X
Print ISSN : 1345-2614
ISSN-L : 1345-2614
原著論文
科学技術に関連する社会的諸問題(SSI)に対する大学生の意思決定に関する研究
―意思決定のプロセスに着目して―
内海 志典
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 66 巻 2 号 p. 267-279

詳細
抄録

本研究では,大学生7名を対象として,科学技術に関連する社会的諸問題(SSI)である人工肉の賛否をテーマとして,二者択一の意思決定をする際の思考のプロセスについて検討した。その結果,次の5点が明らかとなった。(1)意思決定において,賛成,または反対のいずれかであっても,多くの場合,各学生個人が判断した賛否の割合は,100%の賛成,または反対ではなかった。(2)授業の最初と最終の段階での賛否の割合の変容は,多くの場合,10%~20%程度で大きく変化しなかった。(3)最初と最後の賛否の割合に変容が見られない学生でも,学習の途中段階において,多くの場合,賛否の割合の変容が見られたことから,意思決定の際に,心の中に相反する何らかの考えがあったと考えられる。(4)賛否の割合の変容に最も影響を与えているのは,自分が収集した資料の内容をグループ内で発表したり,他者の発表を聞いたりする活動であった。(5)意思決定において,合理的インフォーマル推論,感情的インフォーマル推論,直感的インフォーマル推論が用いられていた。

著者関連情報
© 2025 日本理科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top