抄録
日光角化症(AK)の治療法の一つとして当科では2003年以降光線力学療法(PDT)を行っている。2003年から2008年末までの期間に当科を受診しPDTを施行した日光角化症38例(男性17例(白人男性3例),女性21例(平均75.7歳))につき検討を加えた。日本人35例に対し初期は50J-80J/cm2,2005年以降は80J-100J/cm2のdose,2008年後半から50J/cm2×3回連続照射のプロトコルで照射を行ったところCR14例,PR19例,NC2例でありAKに対するPDTの有効性が確認された。ただし35例中9例には明らかな残存,再発があり,患者と相談のうえ手術療法を選択した(組織学的にCRと診断した2例(施術後2年および2年6ヵ月経過後に再発)を含む)。本療法の有用性は明らかであるが,初期照射量,回数,照射間隔の設定,経過観察期間など考慮すべき点も多く,さらに検討する必要があると考えた。