Skin Cancer
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一般演題
皮膚原発の未分化神経外胚葉性腫瘍(primitive neuroectodermal tumor:PNET)の1例
和田 珠恵吉田 益喜大磯 直毅川原 繁川田 暁稲垣 侑
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2010 年 25 巻 3 号 p. 343-347

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抄録

60歳,女性。2009年4月頃より左膝屈側に皮下結節が出現し,徐々に増大しため近医を受診した。生検で悪性リンパ腫や肺小細胞癌の皮膚転移が疑われたため精査,加療目的で当科を受診した。左膝屈側に直径22mm大の被覆表皮および下床ともに癒着した皮下結節を認めた。病理組織学的には真皮下層から皮下脂肪組織にかけて核異型のある小型の円形細胞が密に増殖していた。免疫組織化学的に腫瘍細胞はCD99,ビメンチン,CD56,シナプトフィジンが陽性で,EMA,CAM5.2,デスミン,LCAは陰性であった。染色体検査で第22染色体q12領域の転座を認めた。以上の結果から,自験例を未分化神経外胚葉性腫瘍(primitive neuroectodermal tumor:PNET)と診断した。治療は辺縁から2cm離して拡大切除を行った。術後1年を経過したが再発,転移はみられていない。

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© 2010 日本皮膚悪性腫瘍学会
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