Skin Cancer
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一般演題
術後9年目に心臓転移で再発した悪性黒色腫の1例
遠藤 恵種子島 智彦和田 秀文町田 大輔澤住 知枝立石 陽子古屋 充子相原 道子
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2017 年 31 巻 3 号 p. 255-260

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抄録

63歳,男性。初診の3年前に右背部に色素斑が出現し,結節を形成した。3年後全切除し悪性黒色腫の診断となった。術後DAV−Feron療法を2コース施行したが,同年右腋窩リンパ節転移を認め,リンパ節郭清術を施行した。その後DAC−Tam療法を3コース施行し,IFN−β局注を2週間に一度継続した。半年毎の画像評価で,再発なく経過していた。術後9年目に呼吸困難が出現し,救急搬送先で右房内腫瘍を指摘された。開胸腫瘍摘出術が施行された際,小結節が心臓に多発しており術中迅速病理組織検査で悪性黒色腫心臓転移の診断となった。悪性黒色腫の心転移は全身転移の一部として比較的多くみられるとされているが,自験例のように心転移のみでの再発例は極めて稀である。当院の過去15年間の悪性黒色腫患者で剖検が施行された9例のうち,心臓転移は5例でみられたが,すべて多臓器への転移であった。

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© 2017 日本皮膚悪性腫瘍学会
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