2017 年 31 巻 3 号 p. 272-275
92歳,女性。5年前に左腰部の黒褐色局面から皮膚生検を施行され,脂漏性角化症と診断された。その後,腫瘤は緩徐に増大して出血を伴ってきたため当科を受診した。左腰部に,辺縁に褐色斑を伴う黒褐色局面があり,その内部に紅色腫瘤を認めた。病理組織学的に,紅色腫瘤の部分は有棘細胞癌であり,黒褐色局面の部分はクローン型の脂漏性角化症,褐色斑の部分は日光黒子であった。脂漏性角化症と日光黒子は同一スペクトラム上の疾患であり,自験例は,脂漏性角化症に合併した有棘細胞癌である可能性が高いと考えられた。