2018 年 32 巻 3 号 p. 261-265
悪性黒色腫の術後フォローアップにおける適切な期間や内容については定見がない。1989~2011年までに新潟県立がんセンターで治癒切除が行われた皮膚悪性黒色腫184例の内,観察期間中央値77ヵ月において36%に再発を認めた(病期I:14%,II:34%,III:66%)。無再発生存期間の中央値は12ヵ月であり,病期が進むほど短かった。初回再発様式は局所再発8%,in-transit転移27%,所属リンパ節転移35%,遠隔転移30%であった。発見契機は患者側が42%,医師側が53%を占め,契機による予後の差はなかった。従来は,術後経過観察による再発検出の予後への寄与については否定的な見解が多かったが,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は,いずれも腫瘍量や転移臓器数の少ない症例でより高い延命効果が示されている。悪性黒色腫の治療戦略は,再発をより早期で検出するための術後フォローアップをも包括した長期戦略として考えていく必要がある。