2018 年 32 巻 3 号 p. 266-271
2006年4月から2011年12月までの間,当科で施行した皮膚原発有棘細胞癌(cutaneous Squamous Cell Carcinoma:cSCC)患者におけるセンチネルリンパ節生検(Sentinel Lymph Node Biopsy:SNB)について後方視的検討を行った。病理組織学的にcSCCと診断した110例において,T1以上で遠隔転移がなく,臨床的にリンパ節転移が明らかでない症例のうち同意が得られた35例にRI・色素法の併用によるSNBを施行した。陽性であった3例に所属リンパ節郭清を行った。センチネルリンパ節(Sentinel Lymph Node:SN)同定率は100%,陽性率は8.6%,偽陰性率は2.9%であった。
SNB施行群では拡大切除のみ施行した群(Wide Local Excision:WLE)と比較し,平均年齢が低く,腫瘍径が大きかった。また5年生存率はSNB施行群:100%,WLE群:92%,初回治療時に所属リンパ節郭清を施行した群:55%であったが,多変量解析ではSNBの有無は全生存期間へ影響を与える因子として有意ではなかった。我々が経験したSN転移陽性群は3例のみであったため,SNBの適応基準や有用性を明らかにするにはさらなる症例の蓄積が必要であると考えた。