2018 年 33 巻 1 号 p. 35-39
軟部筋上皮腫は中間群腫瘍で,臨床的に局所再発を繰り返す低悪性度の場合や,転移を来す高悪性度の場合もあるが,比較的稀な腫瘍である。今回我々は恥骨部皮下に存在した直径約7 cmの筋上皮腫を経験した。症例は50歳,女性で恥骨部の徐々に増大する皮下腫瘍に気付き来院した。全身麻酔下に周囲軟部組織を含めて腫瘍を全摘出した。割面は分葉状で一部出血を伴っていた。病理組織学的診断では粘液様の基質内に紡錘形から多稜形の多彩な細胞が増殖していた。その他には充実性,索状,巣状パターンや囊胞状の部分も認めた。核分裂像は稀で壊死は認められなかった。免疫染色ではα-SMA陽性,EMA陽性であるが,S-100陰性,デスミン陰性,CK陰性であった。病理組織学的所見と免疫染色より軟部筋上皮腫と診断した。術後2年の経過観察で局所再発,転移は認めていない。