2018 年 33 巻 1 号 p. 40-44
66歳,男性。2ヵ月前に自覚した左側頭部の5×5 mm大の扁平隆起性淡紅色結節。弾性やや硬で圧痛を伴い,中心に小さな痂皮が付着していた。孤立性で,周囲に紅斑や紫斑はなかった。病理組織学的所見では真皮浅層から皮下脂肪織に腫瘍細胞がびまん性に浸潤増殖していた。腫瘍細胞は核小体の明瞭な類円形でやや大型の核と,淡好酸性の胞体をもつ紡錘形細胞からなり,多数の核分裂像がみられた。わずかに,内皮細胞の腫大を伴う脈管と出血あり。免疫染色ではCD31強陽性,Factor VIII,D2-40は一部に陽性,Ki67 30~50%陽性,p53少数に陽性で,血管肉腫と診断した。全身精査で遠隔転移なく,結節より4 cm離して骨膜上で切除。断端は陰性でその後再発転移なく経過している。周囲に紫紅色斑を伴わずに,単発性結節を呈する血管肉腫は稀である。