2019 年 33 巻 3 号 p. 192-195
42歳,男性。背部の褐色斑が隆起してきたため2013年9月当科紹介受診。全摘切除を行ったところ,tumor thickness 2.0 mmの悪性黒色腫で全身の単純CTで遠隔転移はなく,pT2aN0M0 Stage IBと診断した。11月拡大切除術を行い,センチネルリンパ節生検は陰性。術後はダカルバジン投与とIFN-β局注を行っていたが,2015年5月胸部CTで肺転移を認め,ニボルマブ2 mg/kgを3週間隔で投与開始した。2016年1月肝門部リンパ節転移,6月右腎門部リンパ節転移が出現。11月よりニボルマブは3 mg/kgの3週間隔に増量したが,肝門部と腎門部リンパ節転移巣は増大傾向であった。2017年11月両下肢の著明な浮腫が突然出現し,当科受診。造影CT所見から腎門部リンパ節転移巣の下大静脈浸潤による腫瘍栓とその尾側に生じた血栓により両下肢の浮腫を生じたと考えた。悪性黒色腫の遠隔転移巣による静脈への直接浸潤は稀であり,文献的考察を加え報告する。