2019 年 33 巻 3 号 p. 196-200
BRAF変異陰性の切除不能メラノーマの治療として,免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1/PD-L1抗体や抗CTLA-4抗体が選択されるが,それぞれの奏効率は30%と10%程度であり,過剰な自己免疫による副作用で治療継続が困難になる症例もある。今回,私たちは,そのような症例で,第三選択としてダカルバジンを使用したメラノーマの3症例を報告する。治療効果は,部分奏功1例,不変1例,進行1例であった。また,これらの3症例では,ダカルバジンの治療効果と血中のLDHや5-S-CDの値の変動が相関した。今後,症例を集積し,第三選択としてのダカルバジンの奏効率を報告し,治療効果を判定するマーカーとしてLDHや5-S-CDが有用であるか検討することが,メラノーマの治療選択に重要であると考える。