Skin Cancer
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一般演題
偽上皮腫性過形成を伴い有棘細胞癌と鑑別を要した悪性黒色腫の1例
北村 佳美大狩 慶治田浦 麻衣子金久 史尚浅井 純竹中 秀也加藤 則人
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2019 年 34 巻 2 号 p. 149-154

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抄録

79歳,女性。約2年前より右頬部に色素斑が出現し,結節を伴うようになった。約1年前に前医で脂漏性角化症として凍結療法を施行された。3ヵ月前より増大してきたため,生検が施行された。病理組織にて,角層に錯角化・過角化がみられ,腫瘍細胞が表皮から真皮にかけて増殖・浸潤しており有棘細胞癌が考えられたが,腫瘍細胞がS100,HMB45,melan Aで陽性を示し,偽上皮腫性過形成を伴った悪性黒色腫と診断された。初診時,右頬部に1.5×1.2 cm大の角化性結節および周囲に5 mm幅までの色素斑を認めた。1 cmマージンで切除し,全層植皮術,センチネルリンパ節生検を施行した。病期はpT4bN0M0 stage IICであった。術後2年7ヵ月現在再発・転移なく経過している。本症例では,著明な角化を伴うだけでなく,大部分が無色素であったため,有棘細胞癌との鑑別が問題となったが,免疫染色が診断に有用であった。

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© 2019 日本皮膚悪性腫瘍学会
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