Skin Cancer
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一般演題
急速に進行した頭部悪性黒色腫の1例
宗盛 倫子森田 知世松原 大樹菅 崇暢田中 暁生河合 幹雄樽谷 貴之平川 治男秀 道広
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キーワード: Melanoma, BRAF, BRAF gene mutation
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2020 年 35 巻 2 号 p. 35-40

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抄録

42歳,女性。右耳介後部腫瘤を主訴に前医耳鼻科を受診した。PET-CTで右頸部リンパ節に集積があり,リンパ節生検で悪性黒色腫と診断され,当科を紹介受診した。頭部,顔面,頸部に多数の褐色斑,小丘疹がみられた。最も原発巣として疑われた頭頂部の中央に丘疹を伴う茶褐色局面および5箇所の丘疹を摘出した。頭頂部病変の病理組織検査から良性の色素性母斑と考え,原発不明悪性黒色腫(melanoma of unknown primary origin:MUP)のリンパ節転移と診断し,右頸部リンパ節郭清術を行った。術後の上部消化管内視鏡検査で食道~十二指腸に数mm大の黒色斑が多数存在し,病理組織検査で悪性黒色腫の転移と診断した。BRAF遺伝子検査は2度実施したが,いずれも判定不能であった。術後に計2回ニボルマブ(2 mg/kg)投与を行ったが,その後肺,肝,骨への転移が判明した。術前のLDH値は194 U/Lであったが,術後16日目に523 U/L,2ヵ月目には3,641 U/Lに上昇した。その後も転移巣は増大し,術後85日目に多臓器不全で永眠した。MUPとしては転帰が急速であったことから,後に詳細に病理組織の再検討を行い,頭部病変を原発と考えた。表在拡大型黒色腫(superficial spreading melanoma:SSM)では一般にBRAF変異率は高いため,BRAF阻害剤による治療が奏効した可能性があるが,自験例ではメラニン量が多く,遺伝子診断を行えなかった。BRAF遺伝子検査における判定不能例の報告は稀であり,報告する。

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© 2020 日本皮膚悪性腫瘍学会
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