2020 年 35 巻 2 号 p. 41-46
86歳,男性。82歳時に前医で頭部の皮膚腫瘤を全切除生検され,隆起性皮膚線維肉腫と診断され,3 cmマージンで拡大切除を受けた。原発拡大切除から2年後に潰瘍が生じ,3年半後には潰瘍の辺縁に紅色隆起性病変が出現した。CTで病変部の頭蓋骨に破壊像がみられ,頭部MRIでは多発脳転移が認められた。腫瘤部の生検で,真皮~皮下に異型の強い紡錘形~類円形の細胞の密な増殖像があり,CD34陰性,Ki-67 30%陽性であった。COL1A1-PDGFB融合遺伝子が検出され,線維肉腫様変化を伴う隆起性皮膚線維肉腫の再発,脳転移と診断した。脳転移巣へはγナイフ治療を行い,再発巣に対しては70 Gy/35分割の放射線照射とイマチニブメシル酸塩の投与を実施した。再発巣,転移巣ともに縮小傾向であったが,イマチニブ開始17週後に体液貯留が生じ,同剤は中止した。活動性の低下も著しく,その後は緩和ケアへ移行した。