2021 年 36 巻 1 号 p. 44-48
免疫チェックポイント阻害薬はさまざまな有害事象が出現することが知られている。内分泌系の副作用は,投与開始後遅れて出現することや継続的なホルモン補充療法が必要になるため,注意が必要である。下垂体機能低下症は,自覚症状が非典型的で発見が難しいが,放置すると副腎クリーゼを起こし致死的となる危険性もある。今回当科にて経験した下垂体機能低下症5例の臨床的特徴を検討した。全例で強い倦怠感がみられ,3例で低ナトリウム血症がみられた。全例ステロイドホルモンの補充療法を行い速やかに改善した。転帰はprogressive diseaseが20%,partial responseが20%,残り60%がstable diseaseであった。下垂体機能低下症は早期発見し速やかにステロイドホルモン補充を行えば改善する。初発症状として倦怠感と低ナトリウム血症が高頻度にみられることから,この所見に注目することが早期発見につながると考えられる。