2021 年 36 巻 3 号 p. 224-229
2014年12月から2021年2月に当科で免疫チェックポイント阻害剤を使用した38例(悪性黒色腫36例,メルケル細胞癌2例)における免疫関連有害事象の発生状況を後ろ向きに検証した。のべ投与症例数の内訳はニボルマブ単剤16例,ペンブロリズマブ単剤20例,イピリムマブ単剤6例,ニボルマブ・イピリムマブ併用療法10例,アベルマブ単剤2例であった。免疫関連有害事象の発生頻度は単剤,併用療法でそれぞれ72.7%,90.0%,grade3,4が22.7%および40.0%であった。多臓器で同時に出現し,急激に重症化したケースも経験したため,それらの経過についてもまとめつつ,適切な管理について考察した。