Skin Cancer
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一般演題
ダブラフェニブ・トラメチニブ併用療法中に横紋筋融解症を来した悪性黒色腫の3例
北村 昇矢面髙 俊和鈴木 里香高沢 裕子中村 謙太木庭 幸子奥山 隆平
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ジャーナル 認証あり

2022 年 37 巻 1 号 p. 16-21

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抄録

横紋筋融解症は,BRAF/MEK阻害薬併用療法において注意すべき副作用の1つである。BRAF/MEK阻害薬を併用して悪性黒色腫を治療中に,横紋筋融解症を生じた症例を私たちは3例経験した。投与した薬剤は3例ともダブラフェニブ・トラメチニブで,2例は進行期治療,1例は術後補助療法として用いた。発症時の年齢は75歳,79歳,82歳で,全例男性であった。治療開始から発症までの期間は14日,25日,36日で,発症時のCK値は1845 U/L,2540 U/L,9482 U/Lであった。初発症状は,脱力感と筋肉痛に加えて全例で発熱がみられた。2例は休薬と補液のみで軽快したが,1例は全身の紅斑を併発したため,プレドニゾロン内服(1 mg/kg/day)を要した。横紋筋融解症は重症化すると不整脈や急性腎不全を来すことがあり,早急な対処が重要である。BRAF/MEK阻害薬併用療法では開始後1ヵ月を中心に,脱力感等の症状に注意して診療にあたるべきである。

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© 2022 日本皮膚悪性腫瘍学会
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