2024 年 39 巻 2 号 p. 204-213
32歳,男性。6歳時にFanconi貧血と診断された。今回8年間の経過中に鼠径部と季肋部,陰囊,後頭部上部,左後頭部の計5ヵ所に皮膚悪性腫瘍を認めた。腫瘍のそれぞれの大きさは長径4 mmから18 mmで外観は紅色病変や黒色病変,隆起や潰瘍を伴うものなど様々であった。それぞれの腫瘍に対して切除を行ったところ病理検査の結果は有棘細胞癌が3例,ボーエン病が2例であった。医中誌で渉猟しうる限りFanconi貧血と扁平上皮癌に関する報告は13報告17症例であったが,皮膚癌の合併の報告は自験例が初であったため若干の考察を加え報告する。