2024 年 39 巻 3 号 p. 237-241
74歳,男性。初診1年前に右鼻翼に皮膚腫瘍が出現した。初診3ヵ月前に右耳前部,左顎にも皮下腫瘤が出現し近医皮膚科を受診した。鼻翼腫瘍を生検し基底細胞癌の診断で当科紹介となった。全身精査のためのPET-CTにより,右肺腫瘤と多発リンパ節転移,骨転移を認めた。肺非小細胞癌,多発転移の診断で呼吸器内科での治療を優先し,基底細胞癌には,姑息的放射線療法施行した。肺癌に対するdurvalumab,tremelimumab,carboplatin,nab-paclitaxel投与と供に基底細胞癌も縮小がみられ,ほぼ完治となった。肺癌に対する免疫チェックポイント阻害薬と放射線療法が,効果を示したと考えた。基底細胞癌に対する薬物療法の報告は少ないが,tumor mutation burden高値となることから免疫チェックポイント阻害薬が有効である可能性が示唆されている。実際にその有効性が確認された症例として報告する。