2024 年 39 巻 3 号 p. 259-265
60代,男性。臀部に直径約20 cmの巨大腫瘤を認め,手術加療目的に当院を紹介された。皮膚生検から有棘細胞癌と診断した。白血球異常高値,高Ca血症を認め,精査の結果granulocyte colony-stimulating factor(以下G-CSFと略記)およびparathyroid hormone related protein(以下PTHrPと略記)産生腫瘍であることが判明した。腫瘍切除+右鼠径部および骨盤内リンパ節郭清術を施行した。病理組織検査では深部断端陽性であり,術後1ヵ月以内に皮膚への局所再発および多発肺転移を認めた。C’A’(CBDCA+Epirubicin)療法を行ったところ,5クール実施時点で完全寛解が得られた。皮膚有棘細胞癌においてG-CSFとPTHrP両方を産生する腫瘍の報告は稀である。今回,G-CSFおよびPTHrP産生有棘細胞癌に対して,外科的切除後,短期間で転移再発の診断となったが化学療法が著効した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。