2025 年 40 巻 3 号 p. 212-218
72歳,女性。関節リウマチで加療中。初診5ヵ月前より左大腿部に褐色局面が出現した。CTで左鼠径,左外腸骨リンパ節腫大を認め,皮膚生検でホジキンリンパ腫が疑われて当科紹介となった。躯幹四肢に多形皮膚萎縮を伴う落屑性紅褐色斑,左大腿部に褐色局面を認めた。紅褐色斑の病理は非特異的であったが,褐色局面では小型リンパ球とともに大型異型細胞が真皮浅層に浸潤し,CD30,CD4陽性,CD8,EBER陰性であった。左鼠径リンパ節にもCD30陽性の腫瘍細胞を散在性に認めた。PCR法によるT細胞受容体遺伝子再構成検査では,褐色局面のみ陽性,紅褐色斑とリンパ節は陰性であった。臨床的には菌状息肉症の大細胞転化を強く疑ったが,落屑性紅褐色斑の病理やT細胞受容体遺伝子再構成検査では診断が確定しなかったこと,関節リウマチの背景があったことなどから,現時点では原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖異常症ないし免疫不全を背景にした非特異的なリンパ増殖異常症と考えた。