Skin Cancer
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EBMからみた菌状息肉症とセザリー症候群の標準的治療
八木 宏明
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2004 年 19 巻 1 号 p. 48-54

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抄録

悪性腫瘍の治療にあたっては, 病期を含めてその患者が現在どのような状態にあるのかを正確に把握したうえで, 過去の症例の蓄積をもとに今後どのような進展が予想されるかを見極めつつ個々の患者で最良の治療法を選択していくことが重要である。菌状息肉症とセザリー症候群は臨床に共通点が多い上に, 移行例もあることから両者は同一の範疇の疾患と考えられ, 皮膚T細胞リンパ腫としてまとめられている。現在のところ本邦において選択可能な治療としては, 副腎皮質ステロイド剤の外用療法, ACNUなどの外用化学療法, PUVA療法やUVB療法などの光線療法, インターフェロン-γによるBRM (biological responsemodifiers) 療法, 放射線療法, メトトレキサート, レチノイドなどの内服療法, 多剤併用化学療法や低用量エトポシドなどがあげられる。実際には個々の治療法の効果に関する報告は少数の症例の治療経験的なものがほとんどであり, エビデンスは十分とは言えない。EBMからみた皮膚リンフォーマの治療というテーマに沿って信頼性の高い報告をもとにすることを第一として標準的な治療法の紹介と各々の治療成績についてまとめた。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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