2004 年 19 巻 1 号 p. 55-63
1993年にSWOG/ECOGの共同研究として大規模な無作為比較試験が実施され, 進行期aggressive NHLに対してdose intensityの高い第3世代の治療法と第1世代のCHOP療法に完全寛解率および生存率に有意差が認められず, 毒性ではCHOP療法が有意に低かったことが報告された。現段階において限局期aggressive NHLに対する標準治療はCHOP療法と放射線治療併用であり, 進行期aggressive NHLに対する標準治療はCHOP療法である。皮膚のリンパ腫においても前述のevidenceが適応されるべきであるが,化学療法の対象になるのはリンパ節や臓器への浸潤を伴う進行期の症例と考えられる。しかしいったん進行し始めた症例に有効性は乏しい。皮膚のリンパ腫に対するCHOP療法を中心とした化学療法の妥当性, 有効性, 実際の施行法を最近の症例に基づいて検討する。化学療法施行時の支持療法には, (1) 骨髄抑制に起因する感染症予防対策および発熱時 (neutropenic fever) の対応, (2) 好中球減少に対するG-CSF製剤の使用, (3) 血小板減少や貧血に対する輸血療法, (4) 悪心嘔吐に対する制吐剤の使用があげられる。各施設ごとに各々の基準を作成し実施しているのが現状と考えられるが, これら支持療法に対してevidenceに基づき検証をしてみた。