抄録
1985年から2002年までの18年間に, 当科において病理組織学的に基底細胞癌と診断した207症例, 247病変について検討した。男性123例, 女性84例で男性にやや多いが, 18年間で増加, 減少傾向は認めなかった。部位別では, 顔面が70.4%と最も多く, 鼻部, 眼瞼部, 頬部で75%を占めていた。WHO分類に準じて病理組織学的分類の再検討を行ったが, nodular typeが37.7%と最も多く, 顔面だけでみるとその比率は44.9%に達した。WHO分類に含まれていないmixed typeが28.3%存在し, これらの取り扱いを含め, 病理組織学的分類の確立が重要であると思われる。