Skin Cancer
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血管肉腫の2例と当科における治療の変遷
鈴木 智子岩田 浩明雄山 瑞栄神谷 秀喜市来 善郎北島 康雄
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2007 年 22 巻 2 号 p. 130-135

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抄録

当科で10年間 (1997~2006年) に経験した血管肉腫7症例をまとめ, 治療の変遷を検討した。
年齢は66歳~93歳 (平均81歳) , 男6例, 女1例であった。原発部位は頭頂部が4例, 前額部1例, 頬部2例であった。以前の治療は紅色局面ないし結節から2~3cm離して切除し, 電子線やIL-2の併用を行っていた。ここ2年間の症例は可及的な切除 (植皮や皮弁は選択しない) , タキソイド系抗腫瘍剤, 電子線の併用を当科の3原則として行っている。
治療開始後の生存期間は3ヵ月~2年 (平均11ヵ月) で, 4例が肺転移による呼吸不全で死亡している。経過観察期間が短く予後の評価にはいたっていない。今後の症例の集積のうえ, 治療指針の見直しが待たれる。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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