抄録
83歳男性, 68歳頃より体幹に掻痒を伴う紅斑が出現。74歳時に当科初診。全身に掻痒を伴う紅斑と半米粒大から小豆大の淡紅色および褐色の丘疹が多発した。病理組織所見では真皮浅層から深層に大型で多型性を示す異型リンパ球が多数みられた。免疫染色でCD30, CD4陽性。画像による全身検索で明らかな転移は認めず。以上よりprimary cutaneous CD30陽性T-cell lymphoproliferative disordersと診断した。治療はPUVAおよびインターフェロン-γは著効を示さず, 患者が高齢でしかも外来治療を希望したことから, 76歳時より少量のエトポシド療法を開始。投与量は50mg/日を連日21日間内服し, 骨髄抑制の回復や病状を検討しながら約1~6週間の休薬期間をおいて繰り返した。皮疹の新生はあるが内服により速やかに消退。自覚症状も改善され現在まで他臓器浸潤を認めない。以上の所見から少量エトポシド療法は高齢者の本症において有効な治療法の一つと考えられた。