Skin Cancer
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Low dose FP療法が有効であった進行期乳房外パジェット病の1例
渋谷 佳直荒川 智佳子鈴木 智子清島 真理子
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2008 年 23 巻 3 号 p. 375-378

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抄録
64歳, 男性。4, 5年前より外陰部の紅斑を自覚していたが放置していた。検診で骨盤内リンパ節腫脹を指摘され消化器内科受診。全身検索を行ったところ左鎖骨, 左鼠径, 腹部傍大動脈リンパ節の腫大あり。外陰部皮疹について当科を紹介受診。初診時, 恥骨部から陰茎, 陰嚢に紅斑と脱色素斑がみられ一部は硬結を触れた。皮膚生検で表皮内および真皮内にパジェット細胞がみられた。以上より乳房外パジェット病stage IVと診断。原発巣拡大切除術を行い, 術後よりLow dose FP (5-FU+CDDP) 療法を3コース施行した。治療3ヵ月後に原発巣の再発はなく, 腹部CTで明らかな傍大動脈リンパ節の縮小を確認でき, PRと判定された。現在, 進行期乳房外パジェット病に対して確実に有効性を示す化学療法はないが, 今回患者のQOLを考慮し,副作用が少なく抗腫瘍効果の期待できるとされるLow dose FP療法を選択し良好な結果が得られたので報告する。
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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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